cartONLINE STORE

INTERVIEWQ-TA

john masters organics×Q-TA

「地球に敬意を。」をテーマに掲げるjohn masters organicsのブランドコンセプトページにおいて、私たちが大切にしているMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を、独創的なコラージュ作品で表現してくれたのはアートディレクター、デザイナー、コラージュアーティストとして幅広く活動するQ-TAさん。
「オーガニックコスメを通じて、人と地球の未来に貢献する」というミッションに共感し、john masters organicsの創業当時から現在に至るまでの写真をコラージュに取り入れて、ストーリー性のある魅力的なビジュアルに仕上げてくれたQ-TAさんに、作品に込めた思いや普段の創作活動などについて語ってもらった。

Q-TA

Q-TA (キュータ)

Q-TA (キュータ)

アートディレクター 、デザイナー 、 コラージュアーティスト。
シュルレアリスムを独自の解釈で表現するファッション性の高いポップなコラージュ&ビジュアル作品で、アパレルブランドとのビジュアルコラボレーションや本の装画、CDジャケット、CM、雑誌、装飾、ロゴデザインなどを手掛け、国内外で活躍中。

INTERVIEW
Q-TA01

古い写真などを素材に使用した
コラージュで、不思議な世界を表現

作品をつくるときにいちばん気をつけているのは、そこにあるものをそのまま表現するのではなく、自分ならではの感性で読み取って、これまでとは違う角度から新しいビジュアルを提案することです。john masters organicsはナチュラルなブランドというイメージがあったので、コラージュとの相性はどうだろうか…とも思いましたが、いつもと違うものを組み合わせることで、ブランドの文脈の延長にある新しい何かを表現できたら面白くなるのではないかと考えました。

僕がコラージュするにあたって重要視しているのは素材選びです。なかでもこだわっているのは、昔の写真。粒子が荒く発色もよくないけれど、だからこそ、その時代を感じさせるし、奥行きや物語性が出る。また、組み合わせによって不思議な世界も生まれます。今回はjohn masters organicsブランドコンセプトページの制作にあたり、創業当時のサロンの写真をはじめとするアーカイブ写真100点近くを提供していただいたことで、作品に奥行きと物語性を出すことができました。

まずサイトのメインには、いろいろなものを纏った地球をデザインしています。ナチュラルな美しさを追求するブランドの象徴である地球を、母なる大地のイメージで女性として表現。その上の中央にジョン・マスター氏を登場させましたが、コラージュで人物を入れると見る人の意識がそこに集中するので、大きさや配置などにすごく気を遣いました。地球との対比によって、ジョン・マスター氏がどのくらい地球のことを考えていて、どのくらい身近に感じているかまで表現しています。対比のバランスはコラージュの出来を左右するので、ここは何度も試行錯誤して決めていきました。
さらに重視したのが、見るときの気持ちよさです。ふわふわとした浮遊感があり、絵が動く絵本みたいに物語を読むような感じで、john masters organicsの想いを自然に受け取ってもらえるように、また子どもが見ても楽しめるように意識しました。

INTERVIEW
Q-TA02

浮遊感を重視しながら、
ブランドの一貫した考え方を伝える

サイト全体に何度かハサミが出てきますが、これはジョン・マスター氏が元美容師で、サロンからブランドへ発展したことに由来します。ハサミを持っている人物は、大きくて使いづらいハサミによって、手作業で農業をしていた時代のものづくりの大変さを表現。さらには昔から何かを耕してきた人、作物をつくってきた人をモチーフにすることで、john masters organicsがずっと変わらずにナチュラルなものづくりをして、ブランドとして高みを目指し続けていることも表現できればと。ここは「豊かさとは何?」みたいなメッセージを伝えたいと考えてデザインしました。ところどころにある試験管は、サロンでさまざまな研究をして美を追求してきたことを表しています。女性が果物を持っているモチーフは、収穫した作物のイメージですね。実ったものを、女性が美しくて美味しい料理に仕上げます。こうして、地球を耕して、研究を続け、収穫物として製品が生まれる、という流れをつくりました。

最後に現れる気球は、このサイトで大事にしている浮遊感の象徴です。まだ飛行機がない時代に、人々が抱いていた空を自由に飛びたいという強い願望。その想いをのせながらゆっくり雄大に飛んでいく気球…これがブレないブランドの姿勢というメッセージにつながります。また、気球がいろんなところに行って種をまき、地球にきれいな花が咲くという情景もイメージできれば素敵ですよね。

今回のコラージュでは、john masters organicsのプロダクトの延長線上に何か意味を足したいなと思ったんですが、単純に花を絡めるのもシンプルでいいのかもって。花をポンとモチーフとして置くだけでもメッセージ性が加わり、成長して上に伸びていくことの象徴になります。また、それが収穫されて製品になり、「あなたの元に届きますよ」というメッセージにもなるんです。

店頭では、12月26日(月)より今回のコラージュ
作品をステッカーにしたものを5種類用意し、
1回の購入につき1枚配布(なくなり次第終了)。
green beauty communityの拡散をめざす。

INTERVIEW
Q-TA03

デジタル化が進む世の中において
あえてアナログ的なものを取り入れる。
作家性はそこにあらわれる

コラージュは、ゼロから創造するのと違って組み合わせによって何通りもの展開があり、何かもうひとつ足すことで、まったく違うものが生まれたりします。だから、どんどん組み合わせを試して、納得がいくまで変えて、いろんな組み合わせを楽しむのです。
道に迷って路地裏に入ってしまうと、目的地には一直線に行けないけど、野良猫を見かけたり素敵な雑貨屋さんを見つけたり、行ってみないと気づかないことがたくさんありますよね。そして目的地に着いたとき、僕はこうやって来て、来る途中でこんなものを見たよ、と話ができるじゃないですか。コラージュの組み合わせの楽しさは、そういうところなんです。意外なものを足してみる工夫が大切だし、その組み合わせ方に物語性が必要です。何を表現したいかが表れていないと、見ていて面白くないんです。何よりも感じることが大事ですが、その感じた気持ちを面白く見せながら人に伝える工夫も欠かせないですね。

今の時代、「いいね!」は簡単につけられる。だからこそ本当にいいものかどうか見極める感覚が鈍くなっているのではと思います。自分の作品や表現がいいものかどうか判断するには、ネット上だけじゃなく、どんな人とリアルで会って、どんな会話しているのかが大切になる。「話してよかった」「この人の話は面白いな」とか、そういうものの連鎖が層となって、コラージュになっていく。僕はたぶん、ずっとこういう表現をするだろうし、ずっと同じことを言い続けているだろうし、時代によって変わることはないと思っています。メタバースやWeb3に表現媒体が変化し、世の中がデジタルになるほど、コラージュ的思考はむしろ求められる。だから、あえてアナログ的なものを取り入れていくことに、作家性が出てくると思っています。
john masters organicsも、どんどん新しい商品が出てくる世の中において、「こうあるべき」という姿勢を一切崩さずに、筋を通して表現しているから面白いんです。きちんとこだわって、自信を持ってつくっているから、そこに僕のような人間が何かを組み合わせると、さらに世界が広がるような気がしています。

今回の制作を通してjohn masters organicsのストーリーや目指しているものを知ったうえで改めて製品を使うと、買ったばかりの靴を履くような新鮮さがあり、製品に対する向き合い方が変わりましたね。ここまで考えてつくられている製品であれば、使う側も意識して使わなければいけないという気になるし、「これは本当にいいよ」って、人にも自信を持ってすすめることができます。
僕は、「地球に敬意を。」というスローガンがとてもいいなと思っていまして。地球にやさしくとか、地球のことを考えるということは、そこに暮らす僕たちの豊かさにつながるわけだし、敬意を払いながら製品づくりをすると、ブレがないんですよね。
こういった姿勢は表現者にとっても非常に大事なこと。揺るがない想いが力になり、自信になり、表現としても理に適ったものになります。僕がこのスローガンを聞いて、自分にとっての「敬意」ってなんだろう? と考えたように、このインタビューを読んでくれている人も、同じように一度考えてもらえるといいなと思います。

上記の作品をはじめ、ブランドコンセプトページ制作のために
数多くの作品が創り出された。

RECOMMENDATION